2023年5月24日の大阪公演、26日の東京公演が終わりました。
数ヶ月間準備をしてきましたので、終わった後はしばらく疲労も感じないほど
緊張状態が続いておりましたが、昨日くらいから少しずつ解れてきたようです。
いらしてくださったお客様には心から感謝しております。
お聴きいただけて幸せでした。
武満徹もピアソラも大変な楽曲ですが、その分深く音楽の中に生きていたようで、
歌手冥利に尽きることです。
次回はまた違うテーマを考えています。
その楽曲に取り組んで行くのが今からとても楽しみです。
Duo Image Songs では歌とピアノの編成でどこまで良い音楽が出来るのかを目指しておりますが、ピアソラの音楽はバンドネオン、ヴァイオリン、ギター、ベース、ピアノの五重奏団で5つの楽器をピアノひとりで構成し演奏します。一切好き勝手には弾かず、全て五重奏団の演奏から採譜した譜面です。それは、ピアソラが一音たりとも好き勝手な音を弾くなとバンドのメンバーに固く言っていたそうで、忠実な再現はピアソラの意志を尊重する音楽だという考え方からです。
そして一方、武満作品では、音楽を構築することはしない、(その構築しないということが西洋音楽を演奏する私たちに反するもの)、自然の神秘を感じる人の霊的な感覚を音楽で表現したいとの武満徹の魂、それらの感受性など大切にするならばどんな音楽にすればいいのか・・・リハーサルを重ねながらふたりで本当に頭を悩ませました。こう歌いたい、こんなアレンジか、これは違う、こうであるかと試行錯誤を重ねて。にしかわまこと氏による美しいアレンジが生まれました。
武満徹の音楽は、心の琴線に触れ懐かしさ、霊的な感覚を呼び起こされ、リハーサルをしながら、どうにも涙が溢れてきて・・・という不思議な経験もありました。
さて、次はどんな音楽が待っていてくれるのか・・・。
とても楽しみで怖いようで幸せです。(笑)精進して頑張って参ります。
お写真は、応援に駆けつけてくださった大先輩の階見ルイジ氏からいただいた、
美しい芍薬の花とコンサートの様子。芍薬は大好きなお花。とても嬉しかった。
ありがとうございました。
皆さま、お元気でお過ごしくださいませね。
Concert Program
Ⅰ 部 ASTOR PIAZZOLA
1. アヴェ・マリア piano solo
2. 孤独の歳月 Annees de solitude 歌詞 T.S.Maxim 訳詞 松坂多恵子
3. 私の死へのバラード Balada para mi muerte 歌詞 H.Ferrer
4. ブレヒトとブレルの間で Entre Brecht et Brel 歌詞 C.Lemesle 訳詞 松坂多恵子
5. 行こうニーナ Vamos Nina 歌詞 H.Ferrer 訳詞 松坂多恵子
6. リベルタンゴ Libertango piano solo
7. ロコへのバラード Balada para un Loco 歌詞 H.Ferrer 訳詞 松坂多恵子
8. チェ・タンゴ・チェ Che tango che 歌詞 A.D.Tarenzi
9. 3001年へのプレリュード Rinascero 歌詞 H.Ferre
Ⅱ 部 武満 徹 all arrange にしかわまこと
1.小さな空 歌詞 武満徹
2.微風 piano solo
3、小さな部屋 歌詞 川路明
4.さようなら 歌詞 秋山邦晴
5.ロマンス piano solo
6.死んだ男の残したものは 歌詞 谷川俊太郎
7. 三月の歌 歌詞 谷川俊太郎
9.雲 piano solo
8.ワルツ 映画「他人の顔」より 歌詞 岩淵達治
10.MI YO TA 歌詞 松坂多恵子
11.翼 歌詞 武満徹